●調査の基本かつメインとなる、3つの業務。知識+経験が必要
冒頭で、探偵の仕事の基本は、@「尾行」、A「張り込み」、B「内偵調
査」だと説明しました。以下、分けて説明しましょう。
@「尾行』
尾行は、探偵が行う仕事の基本の中の基本で、ある程度体系化された技術
があります。
例えば「ターゲット(調査対象者)の背中を見ないで、靴を見る」「ターゲ
ットに対して対角線上で尾行する」「時間を区切っで尾行する探偵を交代
させる」などです。
もしくは「ターゲットに見つかるぐらいなら、失尾(見失うこと)しろ」も、
含まれるかもしれません。
ただし、これら体系化された技術を習得しても、尾行を完壁に行えるとは
限りません。先に、尾行には体力が必要だと説明しましたが、やはりある
程度の経験も必要になります。
尾行は、ターゲットに見つかることを最も避けねばなりません。目立たな
い服装で、日立たない行動で尾行しろと教えられますが、この「目立たな
い」というのは、意外に難しいものなのです。
ごく普通の人は、尾行された体験などないし、日ごろ、自分が尾行されて
いると疑うことはありません。したがって尾行はなかなかバレないといえ
るのですが、同時に、ごく普通の人であれば、その日1日の間に、印象に
残った他人がいる場合があります。
それは、印象に残る服装や行動を取っていた人かもしれませんが、逆に、
目立つ服装ばかりの場所であまりに地味な服装をしている人かもしれませ
ん。
ターゲットはあらゆる場所に行くため、その場所その場所で、目立たない
服装、行動というのは意外に難しいのです。実は、尾行にとって必要なこ
とは、ごく自然にふるまうことです。探偵が、尾行という「演技」を行う
から失敗するのであって、尾行を、ごく当たり前の行動にできれば、目立
つことはなく、場合によっては、目立ったとしても、不審に思われること
はありません。したがって、失敗することがほとんどないのです。しかし
この「どんな場面でも自然に振る舞う技術」は、なかなか会得できるもの
ではありません。
A「張り込み」
張り込みに必要なことは「忍耐力」と「集中力」でしょうか。
張り込みは、]瞬のよそ見でターゲットの行動を逃してしまうこともあり、
逆に、24時間張り込んでも、何もないこともあります。忍耐しつつ、集中
力を途切れさせないことが必要ですから、簡単な仕事ではありません。
また、ささいな変化を逃さず、ターゲットの動きを予測する能力も必要で
すが、ターゲットは予想外の動きを行うものでもあります。
とくに人気がない住宅街がそうですが、張り込みで注意しなければいけな
いことは、周囲の人間に不審者だと思われて通報されたり、警察官の職務
質間を受ける場合があることです。
警察官に職務質間された場合、「探偵事務所の者で調査を行っている」と
答えても構いませんが、ターゲットを明かすことは絶対に避けなければい
けません。
ここで必要なことは]警察官相手に堂々と対応するための法律知識です。
いわば理論武装が必要なのです。
これは言い逃れをするためではありません。法律を犯しでいない限り、人
は自由に行動することができます。何が違法行為なのかを知るためにも、
法律の知識は必要です。
B内偵調査
聞き込みを中心とした内偵調査は、経験と幅広い知識が必要になります。
必要なことを聞くためには、その場その場に合わせた技術が必要ですが、
これは、探偵学校で基礎を教えてもすぐにできることではなく、経験し
ながら学んでいくほかありません。 いわば「場数を踏む」ことが必要な
のです。 探偵業の醍醐味は内偵調査にあると考える探偵は少なくありま
せん。それこそ、経験と知識が問われる調査だからです。