●「何でも屋」的な探偵がいるのも事実。依頼されたら応えるのが探偵か?
浮気調査や金銭をめぐるトラブルの調査、また企業調査など、探偵の仕事
の代表的なものは先に説明しました。
また、これらに共通するものは「人間の素性」を調査することだと書きま
した。
確かに探偵の仕事は人間の索性を調査することですが、依頼主が依頼に至
るまでの過程は、それこそ千差万別で、依頼人の数だけパターンがありま
す。
探偵の仕事というのは、依頼主の依頼があって初めて成り立つもので、依
頼王の要望に応えることが基本になります。
そして依頼主は、何らかのトラブルや困りごとがあって初めで探偵に調査
を依頼するのですが、トラブルや困りごとが複雑であればあるほど、依頼
主の要望も簡単ではないのです。
例えば浮気調査ですが、妻が夫に対する浮気調査を依頼した場合でも、必
ずしも浮気の証拠を押さえて欲しいとは限りません。
逆に、浮気していないことを証明して欲しい場合もあるのですが、そのこ
とを妻が自分で気づいていない場合もあるのです。浮気の証拠を取得して
しまったがゆえに、依頼した本人である妻が、以前にも増して不幸になる
こともあるのです。
探偵が、依頼主である妻の話をきちんと聞かないまま、単なる浮気調査だ
と決めつけて調査を行っては、依頼主の要望に応えたことにはなりません。
近年、テレビなどで「別れさせ屋」が取り上げられ、知名度を得ました。
これは、別れたい当事者から依頼を受けて、あの手この手で別れさせる仕
事です。
「別れさせ屋」の仕事は、依頼主の要望に応えて、浮気調査から派生した
ものともいえますが、これが探偵の仕事なのかどうか、実は難しいところ
なのです。
「別れさせ屋」の仕事は、ときにターゲットに接触することもあり、探偵
の仕事の中では「工作活動」とも呼ばれ、きわめて特殊なものです。
探偵の仕事は、ここまでするべきなのか、きわめて難しい問題です。
逆に、トラブルの内容を聞いて、それが、ストーカー行為など犯罪性の高
いものが背景にある場合は、警察や弁護士に話を持って行ったりしますが
、これでは、調査料を受け取ることができません。
もしくは3浮気調査の依頼を受けて内容を聞いてみると、夫の家庭内暴力
が伴っていた場合も、やはり探偵ではなく警察の仕事になります。
依頼主が持ってくるトラブルは、まさに千差万別で、しかも、時間をかけ
て話を聞いてみなければ分からないことが多いのです。
探偵の仕事は、まず依頼主の話をきちんと聞くところからはじめるのです
が、前に説明したとおり、それが特殊活動を伴うほどの調査になる場合も
あれば、探偵の仕事ではなく、警察や弁護士の仕事になる場合もあります。
したがって、探偵の仕事は、依頼主の相談を受けることからはじまるので
す。
そして、どのような調査が必要なのか、もしくは必要ないのかを、決めな
ければいけません。
ところが、現在の探偵業は、相談を受けるコンサルテイング業務ではあり
ませんから、これだけでは経営が成り立ちません。
依頼主は、何らかの調査を依頼することを前提で来るのですから、相談料
だけで5万円も10万円も取ることを掲げれば、誰も探偵事務所を訪れなく
なるはずです。
しかしながら、相談を受けることは、探偵の仕事をきちんと遂行する上で、
きわめて重要なものなのです。
探偵業を誠実に行えば行うほど、こうした矛盾が生まれるのです。
「調査」というサービスの範囲は、相談を受けて、どの程度まで依頼主の
要望に応えて、行動を起こすかにあります。
依頼主が抱えるトラブルの背景が千差万別である以上、「調査」というサ
ービスの範囲も無限大に広がっていきます。
そこに、どのような範囲をつけて、調査を行い、経営を成り立たせていく
かーこれはひじょうに難しい問題です。
またそこに、探偵業の範囲を拡大させ、変えていく余地があるともいえま
す。今後、探偵業の意味づけが変わってくる可能性もあると思います。