探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

拡大し続ける調査業のニーズ

●アメリ力型「自衛社会」「訴訟社会』では探偵の役割が大ぎい
アメリカでは、探偵はライセンス制を採り、ひじょうに広範囲な業務を認
められています。
そのアメリカでは、様々な分野を専門にする探偵がいて、近年も飛躍的に
増えています。
例えば、盗まれた自動車を追うことを専門にする探偵は「スキップ・トレ
ーサー」と呼ばれています。また、これは厳密には探偵というより調査会
社の分野ですが、保険関係の調査の中でも航空事故の事後調査を専門にす
る業者もいます。
失踪者の捜索を専門に行う女性の私立探偵が以前話題になりましたが、こ
れもきわめて個性的な女性です。
さらに、犯罪者を追う探偵や、犯罪調書を取る探偵もいます。
探偵がライセンス制を採り、日本と比べてひじょうに広範囲な業務を認め
られ、それぞれ専門分野で探偵が活躍するのは、アメリカの国情がありま
す。
アメリカは自衛意識の高い国です。とくに比較的裕福な層は警察に頼らず、
自分たちの「安全」は、資金を出レて買うという意識が徹底しています。
ここでいう「安全」とは、危険から身体を守る意味だけではなく、ささい
なトラブルや法律にかかわる問題まで、広い意味での自分の「安全」です。
ボディーガードと探偵は違いますし、企業調査会社と探偵も違います。
しかし、調査やトラブルをキーワードにすればこれらは同じ背景を持ち、
また、それぞれの仕事の境界はあいまいです。
そして、アメリカでは調査やトラブルに対して専門のプロが応じ、それぞ
れの実力に応じて報酬を得るシステムが確立しています。さらに、社会環
境の変化に応じて、次々と新たな分野の仕事が生まれています。
日本の探偵業界は、こうしたアメリカの探偵業界に学ぶ点が多々あると思
います。確かにアメリカと日本の国情は異なるので一概には論じられませ
んが、日本の探偵業界の今後を見すえる上で、様々なヒントがあると思う
のです。
日本でも、需要の拡大は見えています。ひとつの背景は、人間関係の希薄
化です。
日本では「3割司法」と言う表現があり、人間同士のトラブルの中で、裁
判に持ち込まれるのは3割程度だとされてきました。裁判は時間とお金がか
かり、かといって、明快な回答を出すわけでもない裁判システムの問題も
そこにあります。
また、日本では人間関係のトラブルを公にすることを嫌い、内々で解決し
がちでした。
ところが人間関係の希薄化が進み、「訴えてやる」「告訴してやる」とい
った言葉がすぐに使われ、トラブルが内々で解決できない例が増えてきま
した。
裁判になれば、証拠を集めるための調査が必要になります。証拠収集の調
査は、探偵に対する需要の拡大を見込むことができます。
人間関係の希薄化の是非はここでは問いませんが、裁判を前提とした証拠
収集の調査ばかりではなく、探偵業への需要の拡大は問違いありません。
問題は、需要の拡大に対して、探偵業がいかに応えていくかです。それは、
信頼に足る業界になることができるかどうか、と言い換えることもできます。
残念ながら、現在の探偵業界は、信頼に足る業界とは言い難い面があります。
誠実で調査能力に優れた探偵事務所があると同時に、法外な調査料金を請求
したり、ろくに調査もせず、依頼主とトラブルを起こす探偵事務所もあるか
らです。
しかも、探偵業にはほとんど規制がなく、トラブルが起きても依頼主が泣
き寝入りす巻しかないことも多く、トラブルを頻繁に起こす探偵事務所も
閉鎖されるわけではありません、探偵業経営を届け出制とする「探偵法」
の制定について、くわしくは後から説明しますが]これは探偵業界の健全
化の大きなきっかけになると思います。
ただし、これまで議論されている探偵法を見ると、足りない点が少なくあ
りません。
単に届け出制にするだけでは、業界の健全化にはつながりません。
しかもそれ以上に、拡大する需要に応えたり、新たに需要を創り出すこと
につながることはありません。
需要の拡大に合わせて、真剣に業界のことを考える時期が来ています。

拡大し続ける調査業務のニーズ。
ニーズ増加の要因
人間関係の稀薄化による「訴訟社会化」
○パソコン、携帯メールの普及による浮気発覚の多発化
○早期離婚化

●最近増えている依頼、多様化する依頼内容
○視聴率調査の世帯割り出し
○盗聴をして欲しい
○他人の戸籍が欲しい
○交際・結婚相手と別れさせて欲しい→「別れさせ屋」
○ストーカー対策
○出会い系サイトで知り合った人を調べて欲しい
○オレオレ詐欺、ネット・オークション詐欺に引っかかってしまった
○盗聴器の発見
○子どものいじめを調べて欲しい
○ペットを探して欲しい