●トラブルで困ったとき、行き場のない人が最後に門をたたくのが探偵
事務所
私が探偵になった理由は、友人や知人のトラブルを解決した延長にあり
ます。
とくに若い人は、困ったときに、まず信頼できる友人に相談します。
ただし多くの場合は、本人も解決の方法がわかっているけれど、行動に
起こすことをためらっている場合です。誰かに肩を押して欲しいと思って
「相談」を持ちかけるのです。
しかしそうではなく、ほんとうに困っているとき、例えば誰かに脅かされ
てお金を要求されているとき、友人に相談してもほとんど解決の手立ては
ありません。賢明な友人なら「警察に行った方がいい」と答えるはずです。
ところが、これが「脅迫罪」に明白に当たる場合は別にして、警察を当て
にすることはできません。明らかな事件や犯罪を除けば、「民事不介入」
という原則もあり、警察はなかなか動かないのが現実です。
では弁護士はどうでしょうか?
弁護士は基本的に法律に関するアドバイスを行い、裁判で代理人に立ちま
すが、細かい人間同士のトラブルを解決することはありません。裁判に向
けても、必要な証拠の収集についてアドバイスはしてくれますが、実際に
証拠収集を行うことはありません。
本人同士でどうにもならないトラブルを解決してくれる「第三者」は、意
外に少ないのです。
私は、友人や知人のトラブルを過去にいくつか解決したことがありました。
放っておけなかったこともありますが、トラブルの解決が性にあっていた
のかもしれません。そして、何回か危険な目にも遭いました。
ここで私は、トラブルを解決する「第三者」が意外に少ないことを知り、
それはビジネスになることを知ったのです。職業として探してみると、そ
れが探偵でした。
探偵の依頼主になる人は、何らかのトラブルを抱えている人です。
しかも、警察にも弁護士にも、他の誰にも頼ることができない、もしくは
相談することができないトラブルを抱えている人です。
我々探偵は、依頼主のこうした事情を知っていますから、大義名分や建前
に縛られることなく、より現実的な解決方法を教え、必要であれば動くの
です。
全体として依頼王の男女比は、若干、女性のほうが多いくらいでしょうか。
男女の違いでいえば、依頼する際犀どの広告媒体を見て依頼先を決めたか
とう点に表れます。
電話帳を見て電話をしてくるのは女性が多く、インターネットを見て問い
合わせてくるのは男性が多いです。
浮気気調査の依頼は女性の方が多いのですが、調査料は決して安くありま
せんから、30代前半から50代くらいの女性が中心です。最近は、男性
の依頼も増えてきました。これは社会環境の変化にあると思いますが、や
はり女性が強くなったのでしょうか。
●【探偵こぼれ話】
特殊な「工作活動」とは
探偵の仕事に中には「特殊調査」とも呼ばれる「工作活動」があります。
これは尾行や張り込み、また聞き込みを行ったうえで、身分を明かさずに
ターゲット(調査対象者)に接触することもある活動です。
分かりやすい例なら、昨今テレビなどで話題になった「別れさせ屋」が
あります。
恋愛関係にある2人を別れさせる方法はいくつもあります。別れさせたい
ターゲットに仕掛け人である異性を近づけて、新しい恋人を人為的に作っ
てしまう方法もそのひとつとして考えられます。
ターゲットにとっては、偶然の出会いから発展した新しい恋愛だと思って
も、実は工作活動によって演出された恋愛なのです。
テレビでは、視聴者向けに多分に演出が加えられているはずですが、実際
にこうした工作活動を行う探偵事務所もあります。
ただし、これが「探偵らしい活動」かといえば、それは違います。他人の
人生を変えてしまう活動ですから、あくまでも「特殊調査」なのです。