探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

興信所の料金体系

●基本は単位時間制。インターネットの普及でより透明になった。
インターネットが普及し、ホームページを開設する探偵事務所も増えて
きました。
ホームページを開設している場合、多くはそこに調査料も明示していま
す。調査項目ごとに、細かい料金体系を作っている探偵事務所も少なく
ありません。
最近では、調査料を明示しなければ納得しない依頼主も増えてきました。
以前なら、調査結果が出てから、様々な追加調査料を請求する探偵事務
所もありました。
しかし事前に調査料を明示しなければ依頼主が納得しない流れは、もは
や避けられないと思います、探偵業界も「明朗会計」が問われるのです。
料金体系については次ぺージを参考にしていただきたいのですが、探偵
業の基本である尾行調査でいえば、基本は「1時間あたり探偵1人につき
1万5千円」前後です。
したがって、24時間の尾行調査であれば36万円かかります。
通常の依頼は5時間から8時間程度です。
もしくは、会社を出てから帰宅するまでの時聞の尾行を1週間続ける、
という形です。
通常の調査の範囲内であれば、事前に明示した料金体系で対応している
ことが多いようです。
また、探偵業界では「成功報酬制」はあまり採られていません。
これは探偵の仕事の特殊性に基づいています。
例えば浮気調査ですが、尾行したからといって、必ずしも浮気の証拠を
取得できるわけではありません。しかし探偵事務所としては、きちんと
人員を割き、尾行を行っています。
調査料が「完全成功報酬制」を採ることができないのは、このように、
必ずしも調査が成功するとは限らないからですが、最近では「完了成功
報酬」という考え方も広まってきました。
これは、尾行調査なら「失尾」(見失うこと)など、探偵側の落ち度で尾
行が完了しなかった場合には、調査料を請求しない、もしくは一部しか
請求しないという考え方です。
成功報酬制の代表例は「失踪者探し」です。
失踪者探しは、基本的に1ヶ月50万円程度からはじめ、失踪者を探し
出すことができれば、成功報酬として別途30万円程度を請求することが
多いようです。
探し出せなくても基本料金はかかるのですが、探し出せるか探し出せな
いかで、結果が大きく違ってくるのですから、成功報酬制に似合う調査
だと思います。
また、探偵業界では「リスク」に応じて料金を上げる料金体系も一般的
に採られています。
例えば、依頼主が先に自分で調査をして、失敗してから探偵事務所に来
ることがあります。
この場合、ターゲットがすでに警戒しているため、尾行調査でも失敗す
る確率が高くなります。
探偵は、警戒しているターゲットの尾行を成功させるために、交代要員
を増やすなど、より手間をかけなければいけません。
交代要員を増やせば、もちろん料金は高くなります。
簡単な採用調査を除けば、企業の依頼も難しいものが多く、料金は高め
に設定されることが多くなります。
例えば不正を行っている社員の行動調査を行う場合、具体的にどのよう
な不正を行っているのかを調査することは簡単なことではありません。
企業秘密の漏洩がからんでいる場合には、漏洩先との接触だけではなく
、接触時の会話内容を取得することも必要になりますから、調査能力が
問われる仕事でもあります。したがって、それだけの報酬を請求するこ
とができるのです。
調査料の明示が進んだとはいえ、依頼主の依頼は様々であり、また、調
査に必要な期間も様々です。
どれほど細かい料金体系を作っても、実際には対応することはできませ
ん。
とくに調査が長期間におよぶ場合、料金を下げることも少なくありませ
ん。
1日24時間の張り込みなら36万円ですが、2日間なら、75万円の
ところを70万円に、失踪者探しで1ヶ月50万円なら、2カ月なら8
0万円に、という具合です。
また、尾行調査に探偵2人をつける場合は、1時間につき3万円かかる
ことになりますが、この場合は、2人で2万5000円など値引く例も
多いようです。
考え違いをして欲しくないのですが、料金を明示する目的は、依頼主に
納得してもらうためにあります。依頼主の不信を取り除き、信頼を得る
ためにあるのです。
調査は多岐におよび、複雑で手間のかかる場合も少なくありません。
明示した調査料より高くなる場合もありますが、こうしたことを予測
して、いかに事前に依頼主と合意を得るかが大切なのです。
料金を明示するだけでは足りないことを注意してください。