探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

探偵の契約書のつくり方

基本条項・解約条項を盛り込み、確実な同意を得てから判を押す。
探偵事務所が依頼主と交わす契約書は、ごく基本的な項目を入れただけ
の簡素なものがほとんどです。
探偵の調査活動は、ときに予期せぬことが必要になる場合もあります。
契約書で細かい点まで決めてしまうと、調査活動を縛ることになり、調
査に支障が出る場合があるのです。これは、依頼主の利益にもかないま
せん。
また、これは別項でもくわしく説明しますが、調査が100%成功するとは
限りません。とくに依頼主から見たら、100%成功する調査はほとんどな
いといってもいいぐらいです。
探偵事務所が成功報酬型の料金体系を採りづらいのは、「成功」の意味
が、探偵事務所と依頼主の間で食い違うことも多いからです。
例えば、1週間の浮気調査を行って浮気の証拠が得られなかった場合、
ターゲットの浮気を疑っていた依頼主にとって、調査は失敗だったと考
える場合が少なくありません。
しかし、探偵事務所は規定の調査を行ったのですから、最低限の調査は
遂行しているのです。
探偵事務所と依頼主の立場の違いを、細かく契約書で取り決めることは
ほとんど不可能だと言ってもいいでしょう。
優秀な探偵事務所ほど、契約書はシンプルに作っている傾向があります。
契約書に縛られることなく、堅実な調査をする自信があるからです。
逆に、細かい点まで契約書で決めてしまう探偵事務所は、調査が足りな
かった場合や、尾行調査で失尾(見失うこと)してしまった場合などのた
めの言い訳を並べているケースが少なくありません。
契約書は、自信をもってシンプルなものにするべきです。
ただし「解約」については、事前にしっかりした取り決めを行ってくだ
さい。
探偵事務所に対する苦情で、もっとも多いのが解約をめぐるトラブルな
のです。
とくに消費者センターなどに対する苦情は、いわば依頼主が一方的に苦
情を言い立てる場で、探偵事務所の言い分はほとんど取り上げられませ
ん。
尾行調査のためにあらかじめ人員を確保して、予備調査を行った後、尾
行を開始する前日に解約されたら、それなりの解約料は請求して当然で
す。
しかしこうした時でさえも、依頼主の苦情ばかりが目立ってしまうので
す。
契約書はシンプルなものが最良ですが、契約の場で、お互いが納得する
まで話をしてください。
トラブルになったとき、契約書に書いてあったかどうかでモメはじめる
と、もはやそれはドロ沼になります。
契約書に縛られることなく、事前に依頼主ときちんと話ができるかどう
か。契約時に必要なことは、何をおいても話をすることです。