探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

変化を続ける探偵業界

●届出法制化を控え、中途半端な事務所は淘汰される。
電話帳に広告を掲載する探偵事務所のうち、その翌年もまた広告を出す
のは、十軒に一軒だそうです。つまり、1年以内に9割が倒産してしまう
のです。
人間関係の希薄化で、探偵業に対する需要は増えていると前に説明しま
したが、一方で、インターネットが普及したために、探偵の仕事は減り
ました。
以前なら料金を取って調査していた情報が、インターネット上で、時に
は無料で、または探偵に依頼するよりも格安で得られるようになったか
らです。
これは調査料にも影響しておりインターネット上にホームページを載せ
、料金を明示している探偵事務所は、全体からみれば30%程度安く調
査料を設定しています。
実は、そんなインターネットの広告を使った値下げ合戦は、私が仕掛け
たものです。
値下げ合戦を仕掛ければ業界全体の調査料の相場が値崩れし、場合によ
っては私もそれに巻きこまれてしまうリスクもありました。
しかし私は、ここは探偵としてではなく、経営者として勝負をかけたの
です。
他の業種では、こうした競争は目常茶飯事に行われています。探偵業界
でも、競争が行われてしかるべきだと思ったのです。
もちろん闇雲に行ったのではなく、得意分野を築いた上で値下げを断行
するなど工夫もこらしました。
結果的に、業界全体として調査料の明示が進み、調査料の値下げも起き
たのですから、依頼主から見たら利益になったと自負しています。
また、ともすれば悪徳業者の出現しやすいこの探偵業界の健全化にも、
一役買ったのではないでしょうか。
明らかに不当な請求をしているところは、一目で依頼対象から外されま
す。
これらインターネットの影響も含め、依頼主が「消費者」として賢くな
ったことを強く感じています。
事前に調査料の明示を求め、きちんとした説明をしなければ納得しない
依頼主が増えたのです。
探偵業界にもアメリカの影響はあり、また、人間関係の希薄化で、探偵
業に対する需要が増えていることを説明しましたが、これとは別に、
依頼主が賢くなったために、今後は、より高度な調査能力や情報収集能
力が求められると思います。
今や、インターネット上では「探偵事務所ランキング」なども見ること
ができます。
探偵業界は}般的な業界ではなく、こうしたランキングが出ることなど、
以前なら想像すらできませんでした。
人間関係のトラブルが探偵の仕事につながっていくことは、今後も変
わらないはずですが、仕事の進め方や問われる内容は変わってくるは
ずです。
競争も激しくなり、中途半端な探偵事務所は淘汰される時代が来ると
思います。