●新会社法では資本金1円でも会社をつくれる。「経営」の観点から検
討が必要
探偵事務所の看板を掲げていても、実際には1人で行い、他の探偵事務
所からの「外注」に頼る探偵が多いことは説明しました。
これは、なかなか依頼を取ることができず、事務所を大きくするのも
難しいことが背景にあります。
しかし「経営」の観点に立てば、たとえ1人で経営していても、きち
んとした会社組織にすることが望ましいと思います。
会杜法が改正ざれ、最低資本金も撤廃されて、会社を設立することが容
易になりました。また、より簡単なLLP(有限責任事業組合)も認められ
る方向ですから、個人事業としてではなく、きちんとした会社を作るこ
とを勧めます。
とくにLLPは、出資額以上の責任を負わされず、しかも、取締役会や監
査役を置く必要もないなど、きわめて便利な形態です。
1人で行うよりも、それぞれ得意分野を持つ探偵と共同してLLPを作る
方法もあります。
現在の国の施策は、「起業」を奨励し、様々な優遇措置を採っていま
す。
探偵事務所といえども事業には変わりなく、事業のためには「経営」
の観点が必要だと説明しましたが、「起業」の観点からも考えること
が大切です。
【探偵こぼれ話】
●必ず採用調査が行われる「経理担当者」
企業が依頼する「採用調査」は、以前は探偵事務所にとって大きな収
入源でした。
とくに、特定の思想がないかどうかの「思想調査」が必ず行われたこ
ともあり、企業は何十人単位で探偵事務所に採用調査を依頼してきた
からです。
時代とともに思想調査が減り、昨今はこうした調査が減りました。
採用調査は、履歴書にウソがないかどうか確かめることからはじめま
すが、現在でもほぼ確実に行われるのが、「経理担当者」に対する採
用調査です。
とくに問われるのは、中途採用の場合の「前の会社の退社理由」です。
会社の金を横領して退社したとしたら、とても採用することはできま
せん。
しかし、前の会社がそうした事実を簡単に外部に漏らすことがないた
め、簡単な調査ではありません。
経理担当者は会社の資金の流れを把握する立場にありますが、どの会
社でも、簡単な数字の帳尻合せは決して珍しくありません。
信頼に足る経理担当者の採用は、なかなか難しいのです。