●いちばん求められるものは社会常識。依頼人に信頼されなければ務
まらない
@社会的な常識があるかどうか?
小説や映画などの影響ですが、探偵には、自由奔放なイメージがありま
す。
時問に縛られず、面倒な人間関係に煩わされることのない職業。
しかし残念なことに、現実の探偵は世の中に数多ある職業のひとつです。
社会の中にあり、労働の対価を得る職業である以上、基本的な社会常識
がなければ務まりません。
きちんとあいさつができるか。時間は守れるのか。ウソはつかないか。
こうした基本的な社会常識がなければ、他の職業と同じように、探偵事
務所もすぐに潰れてしまいます。
もっといえば、探偵こそ、社会的常識が必要な職業であるといえます。
あなたが、探偵に対して自由奔放なイメージを抱いているとしたら、
世間も、そして依頼主も自由奔放なイメージを抱いているのです。
とくに依頼主にとって探偵とは、憧れの職業ではなく、現実に悩みを解
決してくれる存在です。
自由奔放に、気の向いたときだけ仕事をするような探偵は、依頼主から
信頼されません。
依頼主から信頼されるためには、まず、社会的な常識があることが大前
提です。
ただし、社会的常識が必要とはいえ、銀行員や公務員のようなお堅い存
在では、依顧王は、逆に不安を覚えてしまいます。
昨今の銀行員や公務員の不祥事を見ていると、お堅い存在と呼べるのか
どうか分かりませんが、杓子定規に対応するのは、少し行き過ぎです。
A聞き上手になれるか?
探偵は、依頼主から依頼を受けて仕事をします。したがって探偵にとっ
て依頼主とは、唯一の「顧客」でもあります。
探偵の特徴は、顧客である依頼主が、例外なく悩みやトラブルを抱えて
いることです。顧客が悩みやトラブルを抱えている職業は、じつはそう
多ぐはありません。
その点では弁護士や医者と似ていますが、もっとドロドロとした悩みや
トラブルのケースが多い職業です。
そして、依頼主が持ちこむ悩みやトラブルは、多くは複雑で、簡単に解
決しないものです。
しかも依頼主自身、何が問題なのか整理できていない場合も少なくあり
ません。
探偵に必要な資質とは、「聞き上手」になれるかどうかです。
依頼主は、不安を抱きながら探偵事務所に電話をかけ、もしくは探偵事
務所のドアを開きます。
目の前に現れた依頼王に、不安を解きほぐしながら、聞き上手になるこ
とガできるかどうか、これは大切なことです。
しかも、聞き上手になりながら、話の要点を整理することも必要です。
前述したとおり、依頼者自身、間題のポイントがどこにあるのか、整理
できていない例が多いからです。
話を聞きながら、問題の核心をとらえることができるかどうか、です。
B好奇心があるかどうか?
好奇心は、探偵にとって重要な資質です。
「社会常識」や「聞き上手」など、堅い話ばかりしましたが、好奇心は、
映画や小説に出てくる探偵のイメ!ジと同じように、現実の探偵にも必
要な資質です。
とくに人間に対して、純粋な意味での興味を持てなければ、探偵という
職業を続けていくことはむずかしいかもしれません。
それから、「要領の悪い人」や「洞察力のない人」は、探偵には向き
ません。
探偵の仕事でもっとも多いのは「尾行」ですが、このような人はすぐに
「失尾」(見失うこと)したり、逆に見つかってしまったりするからです。
整理整頓が苦手な人も、探偵には向きません。よほどの天才でもない限
り、探偵の仕事は、物事をひとつひとつ整理しながら勧めていくものだ
からです。
また、どちらかといえば臆病な人のほうが、探偵には向いていると思い
ます。
臆病だから、周到に用意して、失敗を前提に、いくつも策を練るからで
す。
小説や映画に出てくる探偵のように派手ではありませんが、現実の探偵
も、人間性を試される職業であることには変わりはありません。
というと何だか敷居が高くなってしまうようですが、そこが最大の魅力
でもあるのです。