●もっとも多額で、決定しづらい広告料金。まずは下請けという人は不要
自分が暮らすアパートを事務所にして、自分ひとりで探偵を開業するのな
ら、1カ月に必要な経費は自分の生活費だけです。
切り詰めれば、1カ月10万円程度でも足りるかもしれません。
しかし現実には、それではやっていけません。
依頼主と外で会う探偵もいますが、やはり、きれいで、きちんとした事務
所を構える必要があります。これは、依頼主の信頼を得るためでもありま
す。
またそれよりも必要なのは「広告費」です。
電話帳を開けば、大小様々な探偵事務所の広告が目に入ります。現在なら
、インターネットで「探偵事務所」を検索すれば、何万件もヒットします。
悩みやトラブルを抱えて、探偵を頼ろうとするとき、人は、昔ならまず電
話帳を開き、今ならインターネットで検索を行います。知人に探偵がいた
り、人づてで探偵を探すことができる人はほとんどいないからです。
依頼することを前提とした場合、人は必ず複数の探偵事務所に電話しよう
と考えます。
しかし最初に電話をかけた探偵事務所の対応に納得すれば、そこで依頼を
決めてしまう人も少なくありません。
やはり、電話帳の広告なら大きな広告が、インターネットの検索なら、最
初に出でくる探偵事務所が有利です。インターネットではスポンサーサイ
トがありますが、これは「探偵事務所」と検索すれば、最上段から掲載され
ます。
インターネットなら、自分でホームページを開設することもできますが、
これもまた、検索をして上位に表示されないと、意味がありません。
目を引くために、もしくは他社よりも先に電話をかけてもらうために、探
偵事務所も様々な方法を採っています。
電話帳は、五十音順で掲載されます。
注目を引くために、「あ」からはじまる名前をつける探偵事務所は少なくあ
りません。
これも工夫のひとつです。
また、「多重屋号」と呼ばれますが、複数の名前を持つ探偵事務所もありま
す。
どの名前の探偵事務所に電話をかけても、同じ探偵事務所につながる仕組
みです。
これがいいのか悪いのか、議論はありますが、「多重屋号」が生まれるのも
、探偵事務所にとって広告の影響が大きいからです。
どんなに有名な大手探偵事務所になっても、広告費を減らせば依頼は減っ
ていきます。
依頼を得ようと思ったら、ある程度は広告費をかける覚悟が必要です。
独立したとき、私は1年間仕事が入らないことを覚悟していました。外注
を受けなかったからでもあります。
焦らずに探偵事務所の経営を軌道に乗せるためには、1年間は仕事が入ら
なくてもやっていけるぐらいの貯金は必要かもしれません。
もちろん、当初は外注でやっていく、という方法もあります。
【探偵こぼれ話】
●映画のような「接触方法」だった!
ある中小企業の社長から、「優秀な部長が、ライバル会社に接触している
噂がある。
調べて欲しい」と依頼を受けました。
このとき、部長に対する行動調査は1ヶ月間の契約から始まりました。
それも24時間つきっきりです。通常の行動調査は1週間単位ですから、
異例のことでした。
その理由は、社長が「噂」といったのは建前で、社長は、部下の部長がラ
イバル会社と接触していることを確信していたからでした。
ところが部長の行動調査を続けても、疑わしい点は何も出てきません。
遅くまで残業し、時々、一杯酒を呑んで帰る毎日です。探偵から見ても、
仕事熱心な部長さんでした。
ところが、接触していたのです。一杯酒を呑むお店は、繁華街にある
「のん兵衛横町」の大衆酒場でした。
そこで偶然を装ってライバル会社の社員と隣同士に座り、接触していた
のです。
そこで交わされる「偶然の会話」に耳を傾けなければ接触は分かりません
でした。
探偵の力量が試された調査であると同時に、社長に確信があったからこ
その結果でした。