探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

探偵事務所に向いている立地

●繁華街の目立つ看板は広告効果が大きい。わかりやすいのもポイント
探偵事務所に向いている立地は、「駅前で看板が出せるところ」です。
例えば、小さな事務所が集まる駅前のビルに探偵事務所を構えるケース
が多いようです。
最近では、都内なら、事務所が少し大きくなれば、新宿駅か渋谷駅近く
に事務所を移す探偵事務所が多いようです。
理由のひとつは、「看板もひとつの広告」だということです。
人の往来が多い駅前に看板を出せれば、広告効果は大きくなります。
先に述べたように、探偵は広告を出す媒体が限られています。逆にいえ
ば、依頼主も、探偵を探す手段が限られているのです。何かトラブルや
悩みを抱えて、探偵に仕事を依頼しようと考えた人が、「そういえば、
○×駅前に探偵事務所の看板があったっけ?・・・」と、思い出すケー
スは意外に多いのです。
人々の記憶の片隅に置いておくだけでも、効果は小さくありません。
ふたつ目の理由は、交通の便です。駅前に事務所を構える効果は、依頼
主にとって交通の便がいいということでも、大きな理由です。駅から徒
歩30分だったり、駅から、さらにバスに乗り換えなければ付かない場
所に探偵事務所を構えても、依頼主は、それだけで躊躇するケースが少
なくありません。
また、大手探偵事務所は、東京なら東京駅に近い八重洲に事務所を構え
るケースが多いといえます。
上京する依頼主にとって、きわめて便利な場所だからです。
ちなみに、これは以前からの傾向ですが、裁判所の近くに事務所を構え
る探偵もかなりいます。
よく考えてみると根拠はないのですが、何か「ハク」といったものが感
じられると思われているようです。
もちろん「駅前で看板が出せるところ」は、それなりに事務所の維持費
が高くなります。
新宿駅や渋谷駅近くに事務所を構えようとすれば、家賃が1カ月100
万円だって珍しくありません。
開業当初は資金もあまりありませんから、好条件の立地に探偵事務所を
構えることは簡単ではありません。
しかし、好条件の立地に探偵事務所を構えないと、依頼は増えません。
これは、なかなか難しい間題です。
もっとも、地方の場合には、駅前のビルなど好条件の立地が逆に嫌われ
ることもあるようです。
知っている人と偶然会うことなどほとんどない都会と、繁華街に出れば
、何人もの知人にバッタリ会う地方の違いが、そうさせるようです。
大都市なのか、中堅都市か、それとも地方か。これは、探偵事務所を構
える上で大きな要素となってきます。
いずれにしろ、自宅を事務所にする人は多くありません。
その理由は、どのような依頼主が来るか分からないから、といえます。
いわゆる「変な客」が来ることも少なくありません。何年か探偵を続け
れば、それを知ることになります。

【探偵こぼれ話】
●「隠し資産」を探し出す
探偵の仕事には「隠し資産」を探す調査もあります。
中小企業や零細企業と取引する場合、業績などの数字よりも、社長個
人の人格が大きく影響することは説明しました。それが気まぐれであ
っても、社長の「鶴の一声」で、会社が動くからです。
また、中小企業や零細企業は、金融機関から融資を受ける場合、間違
いなく社長の「個人保証」を求められます。借りたお金を返せなくな
ったら、社長の財産を処分して返しなさい、というわけです。バブル
後の不況時、中小零細企業の経営者の自殺が社会問題になりましたが、
これは個人保証の問題があります。
これでは、社長もたまったものではありません。
自衛のため、金融機関にバレないように、ある程度の資産をどこかに
隠すか、悪質なものになると、税務申告しない「裏金」をプールして
おくこともあります。
探偵は、こうした隠し資産を探す調査を、ときに請け負うのです。
隠し資産を探す調査は、高度な技術が必要です。探偵には捜査権もな
ければ、税務署員のように立ち入り検査をすることもできません。
知識と人脈、地道な調査によって、探し出すのです。