●依頼人と誠実に接すること、できるかぎり要望に応えるのがプロの
仕事
どの職業でも同じですが、探偵にも責任感が必要です。
依頼主は、探偵を「プロ」だと思って仕事を依頼します。探偵は、プロ
として、依頼主の期待に応えなければいけません。
ここで大切なことは、「できること」と「できないこと」をきちんと区別
できる「判断力」です。
多くの場合、依頼主は探偵に初めて仕事を依頼します。したがって、
依頼主は、探偵がどこまで仕事をできるのか、予備知識がありません。
例えば、「人探し」の依頼が来るとします。依頼主から話を聞いていて
も、ほとんど手がかりがない場合、どのように対応すればいいでしょ
うか?
探偵業を続ければ、人探しに関する様々なノウハウや方法を会得して
いきます。
しかし、当然ですが、必ず見つけ出せるとは限りません。
ほとんど手がかりがなく、見つけ出すことが困難なことが明白である
にもかかわらず、依頼主に対して「必ず見つけ出します」と応じたら、
どうなるでしょうか?1週間、1ヶ月して、「見つかりませんでした」
と応えても、依頼主は納得しないでしょう。
探偵の言葉を信じて、1週間分、もしくは1ヶ月分の調査費を支払っ
ているのですから、単に「見つかりませんでした」では、納得するは
ずがありません。
できないことを「できる」と応えてしまうのは、プロではありません。
しかし、逆に「それは無理です」と応えるのも、それもまたプロでは
ありません。
もちろん、時には依頼を断る勇気も必要ですが、依頼主は困っている
から探偵を頼っているのであり、プロとしては、できる限り依頼主の
期待に応えたいものです。
こうした場合は、仕事の見通しについて、きちんと説明できるかどう
かが、プロの探偵かどうかの分かれ道になります。
話を聞いて、その仕事が困難だと判断すれば、それをきちんと説明し、
依頼主の納得のうえで仕事を引き受けるのがプロの探偵です。
ただし、ではすべてを説明すればいいかといえば、それも違います。
探偵業を続けていけば、人探しにかんするノウハウや方法を会得して
いく、と先に説明しました目が、こうしたノウハウや方法の会得こそ、
探偵の財産です。
それは、いわば「企業秘密」ともいうべきものです。
他の業種で、企業秘密を顧客にペラペラ話す人などいないように、
探偵もまた、企業秘密をペラペラ話すべきではありません。
もちろん、ウソの説明は絶対にしてはいけません。しかし、すべてを
話してもいけません。
問題は、依頼主が納得するかどうかです。
調査の結果、人を探し出すことができなくても、依頼主が納得して調
査費を払うかどうか。
人探しを例に取るなら、そこがポイントになります。