探偵と興信所の教科書−探偵と興信所の仕事、基礎知識。探偵を目指す人すべての入門書

金銭にかかわるトラブル

			
●「何でもしてもらえる」と思いこんでいる依頼人の誤解をとく

前項の続きですが、依頼主とのトラブルは、ほとんどが金銭にかかわる
ものです。
つまり、調査費の支払いをめぐるものです。
繰り返しますが、依頼王は、依頼に来るときには「わらにもすがる思い
」で探偵事務所を訪れます。
しかし、依頼主の期待に120%応えることができる調査は、あまりあ
りません。それこそ「藁にもすがる思い」だからです。
例えば、夫が浮気をしていると思いこんで、それが誤解だとします。
しかし依頼主の妻は、誤解から妄想が膨らみ、どうしようもなくなった
段階で探偵事務所を訪れます。
1週間調査をして、夫の浮気が見つからなくても、妻はまず納得しませ
ん。
また、依頼主は、探偵が何でも解決してくれると思い込んでいる場合も
あります。
しかしこれも繰り返しますが、探偵には特別な権限もなければ、特別な
地位にいるわけでもありません。
調査対象者に対する依頼主の誤解や、探偵に対する依頼主の過剰な期待
は、最後に調査費をめぐるトラブルに発展するのです。
やはり浮気を例に取ると、妻が、夫の浮気調査を依頼した場合、浮気の
証拠が出てこなければ、妻はまず納得しません。
場合によっては、浮気相手の女性に会わなければ納得しない依頼主もい
ます。
もちろん浮気をしていたとしても、浮気相手の女性に会わせることは、
探偵の仕事ではありません。
明らかにトラブルになると分かるのは、調査を始めた後、依頼主側から、
契約時に来た依頼主とは別の人間が出てきた場合です。
それは依頼主の兄弟を名乗っても、親族名乗っても、まずトラブルにな
ります。
このトラブルを回避するには、「契約者本人以外とは話せない」と突っ
ぱねることです。
依頼主と同席してきたら、まず第三者には席を外してもらって、依頼主
にじっくりと確かめることです。
一般市民のトラブルを受けつける「国民生活センター」や各地の「消費
者センター」でも、もっとも多いトラブルは、金銭にかかわるものだと
いわれています。
それは、高齢者を相手にした詐欺商法から、債権債務関係まで様々です
が、トラブルの種は、まず「金銭」なのです。
調査が100%成功しても、依頼人の理想とする展開に進まない事も少
なくありません。
これが探偵業の難しいところですが、120%の成功を求める依頼主と
の間で、結果的に調査費の支払いをめぐるトラブルに発展するのです。
トラブルを回避するためには、依頼時によく話を聞き、依頼主に説明を
尽くすことです。
「説明したつもり」では、誤解が生まれてしまいます。

【探偵こぼれ話】
わがままな依頼主が増えた!

これは明らかにテレビの影響だと思いますが、探偵は「人助け」をする
職業だと思い込み、探偵事務所に電話をしてくる人が増えてきました。
確かに、探偵は「人助け」をする職業であるとも言えますが、もちろん
ボランティアではありません。
警察との大きな違いは、ビジネスであるかどうかです。
警察も人助けをする点で、探偵と似ていますが、警察は無料で行います。
もちろん、税金を払っているからであり、昨今の警察の裏金問題を見る
と、逆に高くつい手いるようにも見えますが・・・
それはともかく、探偵業はあくまでも民間のビジネスなのです。
しかし、これをなかなか理解できない依頼主もいるのです。
探偵は調査料金を支払わなければ、調査に動くことはありません。
しかし、無料で人助けをしてくれると思い込んでいる人さえいるのです
・・・。