●最悪の事態を想定しておき、備えておくのがプロの探偵
これまでの説明を読めば、探偵ほど、リスクにさらされている職業はない
ことが分かると思います。
改めて簡単に挙げると、まず、依頼主とトラブルを起こすリスクです。
依頼主はトラブルを抱えて探偵事務所を訪れますが、依頼主のトラブルを
解決することは、簡単なことではありません。とくに依頼主の心情を含め
て見た場合に、100%成功の調査は少ないことを前に説明しましたが、
それこそが、探偵と依頼主とのトラブルにつながってきます。
そして、調査活動を行っているときのリスクです。
探偵は、調査活動において様々な場面に遭遇し、例え十年以上探偵を続け
ても、それまで経験したことがない場面に遭遇することすら珍しくありま
せん。そうした場面すべてが、リスクにさらされているのです。
とくに高度な探偵になると、犯罪者を追う場合もあります。リスクを数え
上げればキリがありません。
探偵に必要な資質は、リスクをいかに察知し、回避するかだと思います。
間違えてはならないのは、これは、過剰にリスクを避ける意味ではないこ
とです。
探偵はリスクにさらされている職業ですが、その理由は、まさにそれが探
偵の仕事だからです。
すべてのリスクをただ避けようとするのなら、探偵の仕事は成り立ちませ
ん。
たとえば、面倒な依頼主を断っていては、探偵の仕事はできません。依頼
主は、ほとんど例外なく面倒なものなのです。
調査活動の場合も、リスクをとらなければ必要な結果が得られない場面は
、よく遭遇することです。
ときには、調査のために、あまり会いたくない怖い人に聞き込みに行かな
くてはいけません。しかし行かなければ、結果を得ることができないので
す。
大切なことは、事前にあらゆるリスクを想定し、万全の対応を練っておく
ことです。
簡単な話なら、張り込みの場合、開始時間の遅くとも1時問前には現場に
行くことです。張り込みの現場でも何が起こるかわかりません。周囲のチ
ェックも必要な作業です。遅くとも1時間前に行かなければ、万全の対応
を取ることはできません。
これもリスクを回避するひとつの方法です。
そして、あらゆるリスクを想定し、対応が取れないと分かったら、違う方
法を探すか、止めるかです。
調査活動において、探偵は「幸運」にかけてはいけません。つねに、最悪
の結果を想定しながら動くべきなのです。
果敢にリスクを取ることと、無謀に動くことは、まるで違うことなのです。