●はじめに
近年、探偵に対する需要が高まりつつあります。その理由は、インター
ネットが普及して、誰もが簡単に情報をとれるようになった反面、人間
関係の希薄化が進み、実は「見えない情報」が増えているからです。
人間は誰でも、気になる他人のことを知りたがります。恋愛でも仕事で
も、その欲求はとどまることを知りません。
そして本当に知りたいのは、数字で表せる乾いた情報ではなく、「生身
の姿」なのです。いわゆる「調査業」は社会に数多くありますが、その
中で、探偵こそ人間の生身の姿を追う職業です。 じつは探偵になるこ
とは簡単です。名刺さえ作れば、誰でもフリーの探偵として出発するこ
とができるからです。
しかし、探偵業は奥の深い職業です。優秀な探偵になるためには時間が
かかります。それは、単純に調査のテクニックを身につけるだけでなく
、多様なタイプの人間と接することでしか得られないものもあるからで
す。
現実の探偵は、映画や小説に出てくる探偵ほどかっこよくありませんが
、映画や小説に出てくる探偵以上に、面白く、やりがいがあります。
探偵業は、特別な資格や難しい試験は必要なく、誰でも挑戦することが
できます。 ですから、明日から探偵になるつもりで、読み進めて欲し
いと思います。
1.探偵とはどんな仕事なのか
●人間のドラマに触れられる、奥の深い職業
探偵は、比較的誰にでもできる職業のひとつですが、同時に、きわめて
奥の深い職業のひとつでもあります。
現実の探偵は、映画や小説に出てくる探偵ほどかっこよくはありません。
しかし、映画や小説に出てくる探偵以上に、人間のドラマに触れること
のできる職業なのです。
探偵の仕事は以下の3つ、@「尾行」、A「張り込み」、そして「聞き込
み」を中心としたB「内偵調査」が基本になります。
探偵になったら、まず尾行と張り込みを中心に行い、しだいに内偵調査
を中心に行っていく例が多いようです。
これは、尾行と張り込みには粘り強さや体力が必要なのに対して、聞き
込みを中心とした内偵調査には経験と知識が必要だからです。ある程度
の経験を積んで年齢を重ねていかなければ、聞き込みで結果を得るのは
難しいといえます。
探偵が受ける依頼の多くは「男と女」をめぐるトラブルです。代表的な
のが「浮気調査」ですが、これも、尾行して浮気の証拠を得る調査から、
浮気相手の素性を調べる調査まで、幅広くあります。 もしくは、「金銭
」をめぐるトラブルの調査です。
いずれにしろ、こうしたトラブルはきわめて人間的なものであり、探偵
はその人間を調べる職業だからこそ、奥が深いのです。
しかし奥深さがあると同時に、探偵も職業のひとつであり、いわば顧客
になる「依頼主」がいて、依頼主が調査料をいただいてはじめて成り立
つものです。
とくに探偵事務所を経営しようと思えば、職業としての探偵に求められ
る資質以上に、経営者としての資質も求められます。
それは「依頼王」を探し出す、あるいは集める能力であり、これはとく
に後から詳しく説明しますが、依頼主の納得のもとで調査料を受け取る
能力です。
探偵として優秀な人間でも、探偵事務所の経営者として優秀だとは限り
ません。
あくまでも調査に専念したいのならフリーの探偵になる方法もあります
し、逆に探偵事務所の経営に専念する方法もあります。
または、自分で調査も行いながら、同時に探偵を雇って探偵事務所を経
営することもできます。
どのような形を選ぶにせよ、探偵業を続けていけば、探偵業の奥の深さ
がしだいに分かってくるはずです。
ひじょうに残念なことですが、中には優秀とはいえない探偵もいて、そ
れが業界の健全化を妨げている面も否定できません。しかしプライドを
持って探偵業を続けていけば、映画や小説に出てくる主人公に劣らない
探偵になることができるはずです。